どうせ私なんか という開き直りはネガティブな思考からくる反応です。
ここでの「反応」とは、体や心が反射的に応答してしまうことを言います。
それらの反応に理性で気づいてあげることは、ネガティブと不健康の悪循環を断つ上で大事なことです。
立ち直れないかもしれないと思える嫌なことや辛いことが起きた時に、一旦は悔やみながらも現実を受け入れ、ポジティブへと転換していく事で成長していくのが人生の醍醐味でもありますから。
産まれたばかりの子供から大人になる過程で、心の成長する方法はこういったことの繰り返ししかないように思えます。
なーんにも事件が起こらずに淡々と心も体も成長することは考え難いです。
真っ当なことなはずですが、ネガティブに転じてしまうとこの成長過程を拒んでしまう事があります。
これ以上辛いことがあると心が折れてしまう・・と自己防衛反応で開き直ったり理由付けをして現実を受け止めることを回避します。
完全に心が折れるのを食い止めるということでは重要ではあるのですが、この回避方法(開き直るという技)を便利な道具として常用してしまうとなると・・残念です。
回避回避の繰り返してせっかくの心の成長機会を逃しながら生活をすることになります。
そうなると本当の意味でのポジティブな人生を掴むことが難しくなるような気がします。
どうしようもない辛いことが起きた時に「すべて私のせいなのだ」と自分を攻撃してしまう事(自虐)があります。
自己破壊的な行為ですね。思考も行為ですよ。
これは逃避とは逆方向に一見感じますが、似ている部分があります。
どうせ私なんかと開き直るのと全部私のせいにするのとでは、どちらも現実問題をよく噛み砕いて見極めることが出来てません。
なぜこういった思考になるのかは諸説ありますが、幼少期に「なぐさめられて気分が晴れる」という一連の心の変化を体験する機会が少なかったのではないかと思います。
愛情を受け取れば受け取るだけその後の人生を生きやすくなると言われてるのはこのためかも知れません。
嫌なことがあっても気分を転換する方法を(親や信頼のおける人から)教えてもらう機会が少ないと、行き場のない不満を自分のせいにして納得に変換する方法を身につけてしまいます。
自分のせいしたり、悪いやつだけどあいつにも事情があるんだろう等と理性で自分を納得させる方法は(本当は心の奥底では納得してなくても)感情を抑制する効果があるので、その方法が得意になって育っていきます。
自虐ワード はもちろん ネガティブワード ですね。
自虐気質でいると、あまりに辛い現実が起きた時の対処方法で自分を苦しめる事になります。
心ではわだかまりを抱え、理性で納得させるためにネガティブワードを頭の中のテロップに流し続る事になるのです。
ネガティブワードの脳内での復唱は、前者の開き直る方法よりも怖いかもしれません。
辛いことが起きた時には、あぁ辛いなぁと思う事を文字にして紙に書いてみる という方法が良いようです。
ポイントは感情は紙に書かず、状況だけ書くことです。
例えばものすごい軽い例をあげますと
「遅刻して課長に叱られ自分はなんてダメな人間なんだ」 という書き方はダメです。苦しみを増します。
「遅刻して課長に叱れれた」 と紙に書きます。
ちょっと気持ちを落ち着けてから、遅刻して課長に叱られたという事実を受け入れます。
その事実をどの様に捉えるかが違うだけです。
頭の中に流す言葉を前向きなものにしてみます。
開き直りの場合
「どうせ俺なんか叱られても叱られなくても昇進しないから平気平気、課長だって遅刻するときあるだろ。」
自虐の場合
「遅刻するなんて最低の人間のすることだ、なんて馬鹿なことをしたんだろう、会社にいて良いのだろうか。」
これら↑の考えなっていたとしたらまずこう考えてみましょう。
あ、またマイナスなこと考えちゃったな。私のわるい癖だな。
でよいのです。これこそがプラス思考です。
更に健全な考え方を頭のテロップに流します。
「昨日呑み過ぎたのが原因だ。今度からもう少し酒を控えよう。課長や同僚にもう一回誤って、失敗は仕事で取り返そう。」
このようにまずは外界で起こる様々な現実を受け止め「腑に落とす」事を心がけたいです。
腑に落とすとはあまり使いなれない日本語ですが、「腑」とは五臓六腑のことですね。
普段からポジティブな状態の人が考える当たり前の思考なのですが、ネガティブな悪循環に陥ると中々この思考にたどり着けませんよね。
辛いことも楽しいことも五臓六腑に染み渡らせて受け止め、なおかつポジティブに元気に健康的な生活ができるのが理想です。
運動をしたり身の回りを綺麗に掃除をするというきちんとした生活こそが、そのこと自体を無理せずに行える心の状態の維持につながるので、やはり規則正しい生活を心がけたいところですね。
辛いことから逃れるために、本を読んだり郊外の綺麗な空気をすってリフレッシュするのは大事ですが、物思いにふけ過ぎて遅寝遅起きしたり、「会社を辞めて旅に出るんだ俺は!」などということはしないように。
どうしようもない辛いことが起きた時にも普段の生活のリズムを崩さずにいる事で、自分自身の自然治癒力がストレスから立ち直らせポジティブに転じる手助けをしてくれます。